取れにくい埋没法を目指して~その①
今回は重瞼術(二重の手術)のうち最も手軽に施術を受けていただける埋没法について、特に当院で行っている取れにくい・戻りにくい埋没法について書きたいと思います。
初回は埋没法の仕組みについてです。
まず上瞼の構造をご覧ください。
上眼瞼挙筋から続く挙筋腱膜が収縮し、それに繋がる瞼板が上方に引き上げられることにより瞼が開くのですが、この時皮膚も一緒に上後方に引き込まれるのが二重になる仕組みです。
ではどうして生まれつき二重の人とそうでない人がいるのでしょうか?
次のイラストをご覧ください。
生まれつき二重の人にはこのように挙筋腱膜から続く線維性の組織が眼輪筋を貫いて皮膚の近くまで伸びています。
瞼を開く際に腱膜が収縮し、この線維性組織を介して皮膚も引き込まれるので二重になるのです。
逆に生まれつき一重の人はこの線維性組織がないため皮膚が引き込まれないのです。
そこで手術で二重瞼にするにはこの線維性組織の代わりになるものを与えてやる必要があります。
埋没法の場合、この代わりになるものというのが埋没させる糸ということになります。
瞼の裏側から瞼板を貫通させて糸を通し皮下の浅いところで結び目を作って固定します。(これが瞼板法という糸の通し方です。一方、挙筋腱膜を貫通させ皮下に結び目を作る挙筋法という糸の通し方もあります。しかし挙筋法では瞼の開きが弱い方ではさらに眼瞼下垂の症状が悪化することがあることや、この方法では必然的にミューラー筋も貫通することになり眼精疲労など不定愁訴の原因にもなりかねないため当院では挙筋法はお勧めしていません。)
瞼板が持ち上がって瞼が開かれる際、埋没法の糸を介して皮膚も上後方に引き上げられて二重が完成します。
次回は実際の埋没法の糸のかけ方について書きたいと思います。
-2015.08.17
院長ブログ