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眼瞼下垂症手術、保険診療or自由診療?

一口に眼瞼下垂症といっても原因はいろいろあり、症状も重度のものからごく軽度のものまで様々です。そしてその治療法にも数種類あります。

眼瞼下垂症というのは、簡単に言ってしまえば上瞼を開くための筋肉である上眼瞼挙筋の力が瞼の支持組織である瞼板にうまく伝わっていない状態です。(上眼瞼挙筋ではないミューラー筋が原因の眼瞼下垂症もありますが珍しいです。)筋組織がもともと無いかもしくは極めて低形成なものは先天性の眼瞼下垂症で、大腿筋膜の移植による吊上げ術が必要なことが多いです。ある程度の年齢になってから症状が出てきたものは、上眼瞼挙筋の末端の腱膜と瞼板との間に隙間ができてしまった場合が多く、挙筋前転術(挙筋短縮術とも言います)が広く行われています。

眼瞼下垂症の手術は美容外科はじめ大きな病院の形成外科や眼科などでも行われており、症状が重度のものには健康保険も適応されることもあります。

どこで手術を受けたらいいのか?保険診療と自由診療どっちがいいのか?といった質問をよく受けます。

本音を言うとどこで手術を受けるかが重要ではなく、誰が手術をするかが重要です。眼瞼下垂症の手術は挙筋前転術一つとってみても様々な剥離のパターンがあり、術中に術式を変更することもよくあります。数多くの症例にあたり様々な術式を経験していないとなかなか良い結果が出ない手術の一つだと思います。眼瞼下垂症の手術は機能面の改善だけではなくて見た目も重要で、職人技あるいは芸術的センスも求められる手術です。その意味では、非難を恐れずに言うなら形成外科出身で症例数の多い大病院で研修し(できれば日本形成外科学会の専門医資格もあった方が少なくとも6年研修した証明にはなるので良い)その後に美容外科のセンスを学んだ医者がいいでしょう。

一般の方々が医者の経験度を推し量るのは難しいですが、今の時代は医者の経歴がホームページなどに掲載されていることがほとんどですからある程度の推察はできると思います。

では保険診療でも十分な治療結果が期待できるのかということですが、これもその医者一人一人の考え方によるとしか言えません。保険診療の自己負担分と、自由診療の費用とでは約10倍ほどの開きがあります。症状が重く、手術によって視野はもちろん改善するが、重瞼の形などそこまで細かいところまでは面倒見ませんよというのが保険診療の一般的な考え方だと思います。

一方、わざわざ高い施術費を出してまで自由診療で手術を受ける患者さんには、好みの形や幅などの要望に応えるべく十分にカウンセリングを行い、自分の持てる技術や美的センスの全てをつぎ込んで時間をかけてこだわりぬいた手術を行います。そして保険診療と違い再手術は無料で施術することの多い自由診療では、なるべく再手術を回避するため細部まで何度もチェックしてから手術を終えます。もちろん保険診療で行う形成外科の先生の中にも、そんなことは当たり前で自分もやっているよという批判があるかとは思いますが、私一個人の考え方として述べさせていただきました。

私は形成外科医として約9年間、大病院で多くの眼瞼下垂症手術を行ってきましたが、その後の10年間の美容外科医としての技術・センスが加わった今では当初とは比べものにならないくらいこの手術がうまくなったと自負しています。

 

 

 


2014.11.13

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