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裏ハムラ法手術(目袋の膨らみが大きい症例における術後の小じわの増加について)

71才女性の裏ハムラ法手術症例です。
下眼瞼は加齢により眼窩隔膜(眼窩脂肪を包んでいる線維性の組織)が弛緩してきて眼窩脂肪の突出をきたし、これがいわゆる目袋の膨らみとなります。
また膨らみの尾側(下方)では鼻瞼溝や瞼頬溝といった窪みが目立ってきて、こちらが下まぶたのクマの原因になります。

ハムラ法というのはこの突出した眼窩脂肪を窪みの位置に移動(再配置)する概念で、この操作を瞼の裏側から行う術式が裏ハムラ法になります。
皮膚側から操作しないのでダウンタイムが短くて済む優れた方法なのですが、欠点もあります。
それは膨らんだ目袋を平らに整地しなおすわけですから、若干の皮膚のだぶつきが生じる可能性があるということです。
膨らんだ紙風船の空気を抜くとしわしわになることを想像してみるとわかりやすいと思います。
もちろん皮膚にはある程度の伸縮性があるので紙風船のようにしわくちゃになることはないですが、小じわが若干増える可能性はあります。

小じわが増えやすい症例としては
①目袋の膨らみがかなり大きく、眼窩脂肪の移動だけでなく一部の眼窩脂肪の摘出を伴う様な症例
②すでに皮膚のたるみやしわがある症例
③40~50才代以降の症例(皮膚の伸縮性の低下が原因?)
などが考えられますので、これに当てはまる場合には術前に十分説明させていただいています。

今回のモニター患者さんは71才と高齢で膨らみもかなり大きい部類に入るかと思います。
原則的にはこの膨らみを平らにすると、皮膚がだぶつき小じわやたるみが生じるため多くの美容外科医は皮膚側からアプローチし皮膚切除する方法を勧めるでしょう。
私も10年くらい前ならそう考えていましたがここ10年、裏ハムラ法の症例数が増えるに伴い、裏ハムラ法の適応範囲というか守備範囲の広さを実感するようになりました。
つまり私の個人的な意見では高齢者で尚且つ目袋の膨らみがそれなりに大きくても皮膚切除を行わない裏ハムラ法で対応出来る場合が多いのではないかと思います。
もちろん最初から皮膚がタルタルにたるんでいる人は皮膚側からアプローチしないとだめです。

この患者さんも見方によっては術後に小じわが少し増えたように見えなくもありません。
ただし誤解を恐れずに言うと術前は目袋の膨らみにより下瞼だけ小じわがなく一見むくみで浮腫をきたして不自然にしわがないような印象を受けます。
術後は顔の他部位と同じような年齢相応の自然な小じわが出来ただけなのかなと感じます。

しわが増えているじゃないかと言われれば確かにそうなのかもしれませんが、この症例のように術後の腫れや皮下出血が少なくダウンタイムが短いのは本法の最大の特徴であり多くの人にお勧めできる若返り手術です。


2023.04.10

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