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裏ハムラ法手術(眼球結膜下出血と眼球結膜の充血の違い)

38才女性の裏ハムラ法手術症例です。
裏ハムラ法は瞼の裏側から手術を行うため皮下出血や術後の腫れが少なくダウンタイムが比較的短くて済む非常に優れた方法です。
通常は1週間くらい皮下出血やむくみが出ますと説明して手術に臨みます。
70~80%くらいの症例で1週間後には手術した跡はほとんど目立たなくなりますが、残りの人はもう少し時間がかかることがあります。

この患者様の場合、2日後に圧迫していたテープをはがした際には右目に眼球結膜下出血、左目に軽度の眼球結膜下出血もしくは充血の所見が見られました。
この眼球結膜下出血は見た目は非常に痛々しいのですが、白目が赤く染まっているだけで痛みを含め自覚症状はほとんどありません。
また有効な治療法もなく2~3週間後の自然消退を待つしかありません。

眼球や眼瞼の手術後に稀に起こるほか、眼球打撲などの事故後にも見られます。
裏ハムラ法の手術後に起こる理由としては図のように眼瞼結膜と眼球結膜は結膜円蓋という部分でつながっているため、手術で眼瞼結膜を切開した時の出血が多いと円蓋部結膜を越えて眼球結膜下に出血が浸潤するためです。

眼球結膜下出血と同様に白目が赤く染まるものに充血(結膜炎)があります。
結膜下出血が結膜の毛細血管の破綻によりベッタリと赤く染まるのに対して充血は結膜の毛細血管が拡張をきたし、うっすらと網目状に赤く染まることを指します。
充血(結膜炎)の原因としては細菌やウイルスなどの感染によるものや花粉などに対するアレルギー性のもののほか異物などの刺激によるものなどがあります。
眼瞼の手術後の結膜の充血は手術操作による刺激が原因かと思われます。

この症例では右の結膜下出血も思ったより軽度だったのか10日後の検診では左右とも退色していました。
この段階ではまだ若干むくみが見られますが1ヶ月後にほぼフラットな形状になっているのが確認できるかと思います。


2023.05.08

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