鼻尖縮小術~団子鼻をスッキリと~
20才男性の鼻尖縮小術の症例です。
鼻先が丸く太い(いわゆる団子鼻)のを改善する方法が鼻尖縮小術です。
鼻尖縮小術は大鼻翼軟骨上の軟部組織を切除するのが基本操作なのですが、多くの美容外科医はこの範囲の軟部組織しか切除しません。
これでは鼻尖部しか細くならず鼻尖の上方に位置する鼻背部はかえって太く見えがちです。
大鼻翼軟骨の頭側(上方)に位置する外側鼻軟骨上の軟部組織もしっかり切除することが重要になります。
外側鼻軟骨の上端までなら何とかクローズ法でアプローチ出来ますので、鼻柱を横切る切開(オープン法)は多くの場合で不要です。
鼻尖を細くするには軟部組織を切除する以外に大鼻翼軟骨そのものの上側1/3ほどを切除する方法(大鼻翼軟骨の頭側切除といいます)も有効です。
ただし鼻尖が若干上を向く傾向にあるため、もともとup nose気味なのを気にされてる方にはこの操作は行えません。
一般的に西洋人と比較して短鼻傾向の多い日本人に大鼻翼軟骨の頭側切除を行うべきか否かは慎重に判断しなければなりません。
この患者さんは少々up nose気味になっても問題ないと判断し、大鼻翼軟骨の頭側切除および左右の大鼻翼軟骨同士のドーム間縫合を行いました。
この患者さんの場合、鼻先が太いことの他に鼻柱部が鼻翼基部よりやや頭側(上側)に位置していました。
鼻柱部と鼻翼基部との位置関係をACR(alar-columellar relationship、鼻柱鼻翼関係)といい、理想的なACRは図のように下向きの二等辺三角形になります。
本格的に鼻柱部を尾側(下方)に延ばすには肋軟骨移植による鼻中隔延長術が行われますが、今回は鼻尖縮小術の際に切除した大鼻翼軟骨を3枚重ねにして鼻柱部に移植しました。
鼻中隔延長術のような大きな変化は期待できませんが、本来は廃棄されるはずの材料を用いちょっとでも美しいACRを作ろうとの考えです。
術後は鼻尖部が細くすっきりした形状になっているのと鼻翼鼻柱関係が改善されているのが分かるかと思います。
-2023.07.18
院長ブログ